近年人気の釣りのひとつにエギングがあります。
そんな人気No.1のアオリイカですが、どんな生態なのかご存知ですか?
エギングに限らずどの釣りでも同じですが、狙っている魚の生態を知らなければ釣果を伸ばすことは難しいです。
反対に生態を知っていれば、狙うポイントや時間帯などエギングでの攻め方が自然と見えてきます。
そこで今回は、アオリイカの生態と豆知識について解説していきます。
・詳しい生態を知りたい!
・エギングでの釣果を伸ばしたい!
…と言う方は特に、こんんかいの記事が参考になりますよ!
アオリイカの基本生態
アオリイカとは(3つの種類)
アオリイカとは、ヤリイカ科アオリイカ属に分類される大型のイカのことを指します。
別名「イカの王様」と呼ばれる高級魚であり、イカの中で甘みがあり1番おいしいと言われているイカです。
日本全国で釣れるイカですが、実は3つの種類に分類されています。
日本各地で釣れる最もスタンダードな「シロイカ」、九州以南の深場に生息している「アカイカ」、沖縄や九州、四国に生息している小型の「クワイカ」の3種類です。
それぞれ生息地域とサイズなど特徴が異なるので、ぜひ下の表を参考にしてくださいね!
【タイプ】 | 【生息域】 | 【サイズ】 |
シロイカ | 日本全域 | 最大3kgクラス |
アカイカ | 九州以南の深場 | 最大5kgクラス |
クワイカ | 四国、九州以南 | 最大500g程度 |
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生息域(全国)
アオリイカは赤道を中心に日本や韓国、タイ、ニュージーランド北部、ハワイ、南アフリカなど広範囲に分布しています。
日本では北海道より南に生息していると言われていましたが、近年は温暖化の影響か北海道でも水揚げされるようになりました。
よってアオリイカの生息域は全国で、特に日本海側は福井県より西、太平洋側は茨城県東部より西に多く生息しています。
ただし、東北の太平洋側は北からの寒流「親潮(千島海流)」が流れてくるので、青森や岩手ではほぼ釣ることができないとされています。
生息エリアの詳細(日中は深場、夜は浅場)
アオリイカは同じ場所に留まらず泳ぎ回るタイプ(回遊魚)などで、潮の流れに乗り様々なエリアに出現します。
岸(ショア)から狙える釣り場としては、漁港や堤防、磯、サーフなどです。
藻場や岩場を好むので、そういった場所を釣り場に選びましょう。
また、アオリイカは非常に警戒心が強い生き物です。
ある程度成長した後でも青物などから捕食される危険性があるので、比較的日中は沖の深場にいることが多いです。
反対に夜になると沿岸部の浅場へ移動してくることが多いです。
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適水温(20℃〜25℃)
アオリイカは海水温の低下に弱い生き物です。
体の80%が水分で構成されているので、水温変化に敏感で急激な変化を嫌います。
アオリイカは15℃〜34℃までの海水温の時にエサであるアジやキビナゴを捕食しますが、15℃より水温が低くなるとエサを取らなくなり衰弱死してしまいます。
沖の深場は冬でも海水温が高いので、海水温が15℃を切ると我先に深場へ移動してしまいます。
そして春になると海水温が上がるので活動が活発になるのです!
ちなみに寒さに弱いアオリイカですが、暑さには非常に強いです。
海水温が30℃前後のパプアニューギニアなどの赤道付近でも生息できることから暑さ耐性があることが伺えます。
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塩分濃度(低い場所はNG)
アオリイカは塩分濃度の変化が苦手な生き物です。
特に塩分濃度の低い場所を嫌います。
塩分濃度が下がる日といえば雨の日です。
皆さんも「雨の日のエギングは釣れない」なんて噂を聞いたことがあるかもしれません。
確かに塩分濃度が下がる場所もありますが、ポイント選びと安全面にさえ気をつければ、雨の日でもちゃんと釣れます!
雨エギングでのポイント選びやおすすめエギ、注意点など詳しい情報は別の記事で詳しく紹介しているのでそちらを参考にしてください!
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産卵期と寿命(シーズンと場所)
アオリイカの産卵時期は春〜夏で、産卵後に死んでしまうため寿命は1年とされています。
産卵の目安としては、冬が終わり海水温が上昇する頃(水温16℃)です。
この頃になると産卵するアオリイカを見るようになり、18℃を超える日が続けばほとんどの個体が産卵し始めます。
アオリイカが産卵場所に沿岸部の海藻を選びます。
海藻に産みつけた卵は約3週間ほどで孵化します。
エサと捕食行動(好みはアジとイワシ)
生まれたての赤ちゃんアオリイカはプランクトンなどを食べ成長していきます。
その後は甲殻類(エビ、カニ)や小魚(イワシ、アジ、キビナゴ、サバ)、それにイカの共食い等で大きくなっていくのです。
また、イカは体は80%が水分で、18%がタンパク質という構成です。
その為、エサに選ぶ魚も「タンパク質」を豊富に含む食材が好ましいとされています。
エサ巻きエギングで使う餌はタンパク質豊富なイワシ・キビナゴ・ササミがいいとされています。
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視覚(魚の3倍以上良い)
「アオリイカは目がいい」と言う話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
その話通りアオリイカは他の魚と比べても視力が良いです。
一説には目がいい魚でも0.1~0.2程度しか視力がないのに比べ、アオリイカは0.64と言われています。
アオリイカがどれほど目がいいのか分かると思います。
色盲(モノクロにしか見えていない)
先ほど解説した通りアオリイカの視力はとてもいいですが、色の識別はできません。
そのためアオリイカから見える世界は、モノクロ映画のような白黒の見え方となります。
余談ですが、この話を聞くと「それならエギのカラーを選ぶ意味なくない?」と思わる方もいるかもしれません。
確かにアオリイカは色盲なのでエギのカラーローテーションは必要ないように感じてしまいます。
しかし実際は色の識別ができない分「明暗の識別」が発達しているのでエギのカラー選択は非常に重要と言えるのです。
つまりアオリイカから見てハッキリとシルエットが浮かぶカラーを条件(海の濁り具合、光量、時間帯etc.)に合わせて選ぶ必要があると言うことです。
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味覚と嗅覚(受容器官がある)
アオリイカを含めイカは味覚と嗅覚(科学用語では「化学受容」と呼ばれる)を持っていると言われています。
受容器官は3つ備わっていて、味覚は「吸盤」と「口の付近」、嗅覚は「ろうと付近」です。
アオリイカは捕えたエサを「触れて味わう」という独特の行為によって見極めているのです。
エギングを始めたての時にが一番悩むのが、「エギのカラー」の選択なのではないでしょうか。 釣具屋には選びきれないほどのエギが陳列していて、始めた頃は正直どれを選んだら良いか検討もつきませんでした。 釣猿2号 エギのカラー[…]
エギングで役立つ釣果アップ情報
ここでは知ってて損はないエギングに役立つアオリイカのプチ情報をお届けします!
② オスメスは模様で見分けが可能
③ オスは厚情、メスは薄情
④ アアオリイカには好む海藻がある
⑤ アオリイカは体色変化が可能
⑥ イカ墨の効果
⑦ アオリイカの名前の由来
⑧ 地域によって呼び方が違う
① パンダマークは仲間への警戒
「パンダマーク」とは、アオリイカを釣り上げた時にエンペラ部分に現れる黒い斑点のこと。
これは仲間へ警戒を促していると言われています。
釣れたアオリイカにこのパンダマークが付いていたら、アタリがあった場所の近くに仲間のアオリイカがいる可能性が高いと言うことです!
もしかしたら数釣りのチャンスが到来しているかも!
② オスメスは模様で見分けが可能
アオリイカの雌雄は胴体部分の模様で見分けることができます。
オスは模様が線状で、メスは模様が点状です。
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③ オスは厚情、メスは薄情
アオリイカが釣れた時、そのイカを追いかけてくるイカに遭遇したことはありませんか?
その追いかけてくるイカのほとんどがオスです。
メスが釣れるとオスが追いかけてきますが、オスが釣れるとメスは一目散に逃げてしまいます。
「オスは厚情、メスは薄情」と言われますが、メスの方が危機察知能力が高いのですね!w
④ アアオリイカには好む海藻がある
とにかく藻を好むアオリイカですが、どの海藻でも良いわけではありません。
とりわけ好むのがホンダワラとアマモです。
反対にカジメなどはあまり好みません。
⑤ アオリイカは体色変化が可能
アオリイカはタコやヒラメのように体の色を自由自在に変化させる能力を持っています。
この能力は、天敵である青物から擬態し身を守るだけでなく、捕食時に気付かれず獲物に接近するためと言われています。
体色変化はその場に合わせた色になるので、岩場なら暗め、サーフや透明度の高い場所では透明であることが多いです。
また、興奮時(メスの奪い合いや釣れた時)には赤黒い色へと変化します。
⑥ イカ墨の効果
イカが危険を感じた時に外敵から身を守るために吐くイカ墨は、周辺のイカへの警戒心を増長させてしまいます。
1匹のイカが吐いた墨で一気に釣れなくなる…なんてこともあるので注意!
ちなみにアオリイカの墨は脂分が多く水中では広がりにくいです。
そのため、吐いた墨は変わり身の術のような役割と言われています。
⑦ アオリイカの名前の由来
アオリイカは馬の両側にさげて使用する泥除けである「あおり(障泥)」とエンペラ部分のカタチが似ていることから、「アオリイカ」と呼ばれるようになりました。
アオリイカを漢字で書くと「障泥烏賊」です。
⑧ 地域によって呼び方が違う
アオリイカは地域によって呼ばれ方も異なります。
【地域】 | 【名称】 |
九州地方 | ミズイカ |
中部・四国地方 | モイカ |
静岡県 | バショウイカ |
沖縄県 | シルイチャー |
まとめ
いかがでしたか。
今回はアオリイカの生態から、ちょっと役立つアオリイカの豆知識について解説してきました。
アオリイカの生態を知ることで、狙うポイントや時間帯などエギングでの攻め方が自然と見えてきます。
ただ闇雲にエギングをしても長続きはしません。
まずはアオリイカのことを知ることでエギングの奥深さや楽しさが生まれてくると思います。
今回の記事でアオリイカの知識を身につけたあとに釣ったアオリイカは、以前と違う見方になているかもしれませんよ!