近年盛り上がりを見せる釣りですが、新規の釣り人が増えたことで「釣りのマナー」が悪くなり、釣り禁止になってしまった釣り場や、釣り人(アングラー)同士のトラブルが増えていることをご存知でしょうか。
釣りを始めたい初心者の方の中には「釣り人は怖い…」と言うイメージを持たれるかもしれません。しかし、ちゃんと『基本的なマナー・暗黙のルール』をしっかり守れば怖いことなんてありません!
そこで今回は釣りを始めたい初心者のために「釣り場のマナー」と「暗黙のルール」について解説していきます。この記事が釣りに行くのが不安な方の参考に少しでもなれば嬉しいです。
・今年から釣りを始めたい
・釣り人怖い…
・釣り場のルールを知りたい
・暗黙のルールがあるって本当?
なぜマナーを守るのか
そもそもなぜこのような話題が問題視されているかです。『釣り場はみんなのもの』は一度は聞いたことがあるフレーズだと思います。しかし、その釣り場で釣り人の良心を問われるケースが増えてきているのです。
・立ち入り禁止区域に勝手に侵入
・漁師や近隣住民に迷惑のかかる駐車
・魚の乱獲
・大声で騒ぎ近隣住民からのクレーム
大切なのは、『誰もが安心して気持ちよく使える”みんなの釣り場”づくり』です。釣り人同士だけでなく、近隣住民や仕事をしている漁師の方への配慮も大事になります。
これらの積み重ねは「今後も釣りができる=釣り場を守る」ことに繋がります。
【大前提】公式ルールはない!押し付けはNG
最初にお断りしておきます。今回紹介していくマナーや暗黙のルールは公式ルールではありません。有料の管理釣り場などでは「守るべきルール」が設定されていますが、堤防・漁港・磯などの釣り場にはそもそもルールが存在しません。
『なんとなくの共通認識』であることを説明しておきます。そのため、誰もが必ず認識しているわけではありません。強い言葉で注意したり、相手を貶すなんてもってのほかです。
マナーの押し付けはNGですので、もし注意するなら軽く注意したりして教えてあげたりしましょう。
大事なのは気遣いと思いやり
マナーや暗黙のルールが存在するのは、『お互いが気持ちよく過ごすため』にあるのだと思います。他人や環境への思いやりと気遣いができれば、何もトラブルなんて発生しません。
これは初心者でも古参でもプロでも同じです。
誰もが安心して気持ちよく釣りができる場所を一緒に作っていく姿勢が大切です。
釣り場での「8つ」のマナー
釣り場で誰もが釣りを楽しむためにあるマナーは8つありますが、どれも難しくはありません。人として当たり前のことをするだけなので、守っているアングラーがほとんどです。
② 駐車場所に注意する
③ 地域住民に配慮する
④ 漁業施設・船・ロープに注意する
⑤ 釣り人は仲間!あいさつをしよう!
⑥ 割り込み禁止!一定の間隔を空けよう
⑦ リリースで海の資源を大切に
⑧ 子供をひとりにしない
① 釣り場を汚さない
釣りをすると必ず何かしらゴミが発生します。
ゴミが出ること自体は仕方がないことなので、出たゴミは自分で持ち帰るのがマナーです。ここ数年で釣りが禁止となった釣り場の多くは、禁止となった理由のひとつに『釣りゴミの放置』があるとされています。
ゴミの中でも厄介な「糸くず」は、細く体積が小さいので捨てられやすい傾向にあります。捨てた糸はいずれ海に流れ、魚が食べたりダメージを与えたりすることが問題となっています。小さな糸くずであろうと、持ち帰ることが『釣り場を守る』ことに繋がるのです。小さなもので良いので、ひとつゴミ入れを準備すると釣りが快適になるのでおすすめですよ!
ジャクソンから販売されている「ポッシュ」という商品は、糸くずからワークの切れ端まで、釣りで発生しがちな小さなゴミをストレスなく入れることができる優れものです。初心者の方でゴミ入れどうするかを考えている方は、レジ袋より断然ポッシュがおすすめです!
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② 駐車場所に注意する
車で釣り場を回る際に気をつけたいのが『駐車スペース』です。駐車禁止エリアはもちろん、私有地や通行の邪魔になるような無理やり駐車もNGです。
釣り場の駐車場は、海浜公園など公共の場所を利用したり、地元の方に確認するなどして駐車しましょう。地元の釣り雑誌やネット上のブログなどでも駐車場の場所がわかることもあるので、事前のリサーチが大切です。
③ 地域住民に配慮する
釣り場の近隣住民への配慮がなく、釣りが禁止となったエリアも存在します。『騒がない・大きな声を出さない・住民に会ったら挨拶』を守れば大丈夫です。
釣りにもよりますが、早朝や真夜中に行う釣りもあります。もし皆さんがそこに住んでいて、そんな時間に騒がれたら誰だって釣りを禁止にしたくなりますよね。
その場にいるのは自分だけでないことをしっかり理解しましょう!
④ 漁業施設・船・ロープに注意する
釣りを始めた手の頃によく利用するのが漁港や堤防などの釣り場です。釣りでテンションが上がってしまうのもわかりますが、港は漁業や港湾作業の仕事の場所であることを忘れてはいけません。
仕事の邪魔にならないよう、施設に入ったり、大声を出したりするのはNG!
仕事道具である網・漁船・ロープの近くでのキャストは控えるのがマナーです。ロープに釣り針が刺さると中々外れないだけでなく、漁業者のケガにも繋がります。
⑤ 釣り人は仲間!あいさつをしよう!
釣りの世界でもあいさつは常識です。釣り場についたら先に来て釣りをしている人がいると思います。先行者にはまずあいさつをして「横で釣って良いですか?」と確認を取るように心がけましょう。
逆の立場で考えてみてください。『あいさつをしてくれる人』と『してくれない人』では安心度が違います。あいさつ無しの人への不信感は、やがて釣り人同士のトラブルに発展しかねません。
「釣り人は怖い…」「コワモテのおじさんがいる…どうしよう」と感じている人は、まずあいさつしてみましょう。コワモテのおじさんでもニッコリあいさつしを返してくれたら安心しますし、エサのシェアや貴重な釣り情報を教えてくれる人だっています。
⑥ 割り込み禁止!一定の間隔を空けよう
先に釣り場で釣りをしている先行者の邪魔になるような割り込みや至近距離でのキャストはNGです。あいさつの話でもありましたが、まずは「横で釣って良いですか?」と確認を取るのがマナーです。
また、釣り糸が隣の人とクロスしないようキャストの方向も気をつけましょう。なにより先行者の釣りを妨げる行為をしないことが大切です。
狭い釣り場で人が多い時は、釣り場を変更することも考えましょう。
⑦ 乱獲しない!リリースで海の資源を大切に
海は広大で多くの水産資源に溢れていますが、無限ではなく「有限なもの」です。近年は放流事業によって水産資源を管理しています。
水産資源が枯渇しつつあることをぼくたち釣り人も意識すべき問題だと思いませんか?釣りの世界では、子供の魚が釣れた時や食べきれないほど釣れた時に『リリース(釣った魚を生きたまま逃がす事)』をします。
リリースする基準は人それぞれですが、『卵を持っている個体・サイズの小さい個体・食べ切れる以上釣れた時』にリリースするようにしています。このリリース基準は皆さんが自分自身で決めてください。
そのリリース基準を他人に押し付けるのはNGですが『自分のリリース基準を持っている』ことは立派なことです。「まだ釣りに行ってないよ…」という方は、そう言う考えがあることを覚えておいてください!
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⑧ 子供をひとりにさせない
『子供と週末一緒に釣り』なんて、多くの方が憧れる休日の過ごし方なのではないでしょうか。ただ、釣り場には危険がいっぱいあります。
子供と一緒に釣りに行く時は『子供をひとりにしない事』が大切です。次の3つのことに特に注意しましょう。
- テトラポットに登らせない・行かせない
- 道具の扱いをきちんと教える
- 不意な落水から命を守るためにライフジャケットを着用させる
そもそも水辺はとても危険で、海に落ちたら簡単には戻ってこれない場所も存在します。子供へのライフジャケットの着用は自分だけでなく周りの大人も安心させるので、ライフジャケットの着用は必ずさせましょう。
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「4つ」の暗黙のルール
釣り続けていると、暗黙のリールなるものの存在に気づきます。基本的に8つのマナーを守っていれば問題ありませんが、暗黙のルールも知っておくと後々役に立ちます。
② 仕掛けのながしっぱなしNG
③ 安易にポイントを聞かない
④ ローカルのルールに気をつけよう
① 仕掛けが絡まったらお互い謝る
隣の人といくら離れていてもたまに仕掛け同士が絡まってしまうことがあります。混雑した釣り場ではなおのこと。
仕掛けが絡まることを『おまつり』と言いますが、おまつりした時はお互いに「すみません」と謝るのが暗黙のルール。無言は絶対にNGです。
海釣りではよく見かける光景ですが、基本的には回収してしまった側がほどくのがルール。もし皆さんが初心者で相手がベテランなら、相手に任せるのがいいでしょう。
話してみれば案外気さくな人だったなんてこともあるので、自分が悪くなくてもお互い誤りコミュニケーションを取ることが大切です。
② 仕掛けのながしっぱなしNG
釣りの仕掛けは、潮の流れによってだんだん流されてしまいます。仕掛けの流しっぱなしは隣の人のテリトリーに侵入しおまつりになる可能性が十分高くなります。
流されたら一旦回収。休憩でその場を離れる時も一旦回収を心がけましょう。
③ 安易にポイントを聞かない
釣り場の情報は非常に貴重です。ベテランになる程、長年の釣行で得た良いポイントがあるものです。そのポイントを隠したくなるのは自然のことですし、聞かれても返答に困ってしまいます。
初めて会った釣り人に安易に良いポイントを聞くのはおすすめしません。もし聞くなら信頼を重ねてからか、釣具屋の店員に聞きましょう。
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④ ローカルのルールのご注意
ローカルルールは場所によってあったりなかったりします(ほとんどの場所はない)。中には独自の地元ルール(「そこは自分の場所だ」「ルアー禁止」など)は理不尽とも思えるものも存在します。
独自ルールによって釣り場が存続している場合もあるので、無理に正論で押し切るのは懸命ではありません。
もちろんコニュニケーションをとることで優しく受け入れてくれる地元の方もいます。そういう『ローカルルールで成り立っている釣り場もある』ということを知っているだけで十分です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は初心者が不安に思いがちな釣りのマナーと暗黙のルールについて解説してきました。マナーやルールを守るのはさほど難しくなく、誰でも実践できる内容です。
周囲の人(釣り人・住民・漁業関係者)が気持ちよく過ごせるようにあるのがマナーやルールです。今回の内容を知っているかどうかで、トラブルに巻き込まれる確率が変わってきます。
もし皆さんが気持ちよく釣りを楽しみたいなら、今回紹介した8つのマナーと4つの暗黙のルールを意識してみてください。きっと「釣り人怖い…」から「釣りって楽しいじゃん!」に変わると思いますよ!!
釣猿サイトでは、初心者をはじめアングラー皆さんの小さな疑問やモヤモヤを解消するために様々な釣りに記事を用意しています。少しでも疑問に思ったことがあればサイト内をネットサーフィンしてみてください!皆さんのモヤモヤが少しでも晴れて、釣りを心から楽しめることを釣猿チーム一同願っています!